タイトル:こんとあき 作者・絵:林明子
発行:福音館書店 1989年初版 ページ数40ページ
日本傑作絵本シリーズ 定価:本体1300円+税

 

こんとあきの絵本は、娘が小さい頃によく読んであげていました。
胸がキュンとして、暖かい気持ちになれる大好きな絵本です。

ロングセラーで愛されているこんとあきの絵本。
今のお子さんたちもこんとあきの物語を読んでる♪うれしいです。

こんとあきの絵本について書きたいと思います(*^^*)

 

目次

こんとあき あらすじ(内容)

こんとあき 対象年齢

こんとあき 感想

こんとあき 裏話

こんとあき モデル

こんとあき お弁当・駅弁

こんとあき こんのぬいぐるみ・グッズ

こんとあき 作者の林明子

こんとあき あらすじ(内容)

♪こんとあきの出会い

こんは、砂丘街のおばあちゃんの家からやって来ました。
おばあちゃんから赤ちゃんのおもりを頼まれていたのです。

ベッドですやすや眠っている赤ちゃん。あきです。
こんは赤ちゃんの可愛さにうれしくて胸がドキドキします。

こんとあきはいつもいっしょ。あきはこんの手をよだれで汚したり、
上に乗ったり、しっぽを引っぱったりしました。
でも、こんはあきと遊ぶのが大好きです。

あきは大きくなりこんの背を追い越しました。
こんは段々と古くなりました。ある日、腕の縫い目がほころびてしまいました。

あきが心配しないように、こんは「だいじょうぶ だいじょうぶ」と言います。
こんは「砂丘街にいって、おばあちゃんに治してもらってくる」
あきは「わたしも連れてって」こんとあきは二人で行くことにしました。

♪こんとあきの二人旅

砂丘街は遠いので汽車に乗って行きます。
不安そうなあきに、こんは「だいじょうぶ」と言って励まします。

途中の駅でお弁当を買いに行ったこん。汽車が出発しても帰ってきません。
あきが探しに行くと汽車のドアにしっぽがはさまって動けなくなっています。

次の駅まで動けないので、ドアの前でお弁当を食べることにしました。
こんは「だいじょうぶ、だいじょうぶ、お弁当、まだあったかいよ」と言います。

次の駅でドアが開き、こんは解放されました。
しかし、こんのしっぽは、はさまれていたところがぺちゃんこです。
それを見た車掌さんが、しっぽに包帯を巻いてくれました。

おばあちゃんの住む街の駅に着くと、あきが砂丘をみたいと言いました。
広い砂丘に、ふたりの足跡をつけました。

他の誰かの足跡をみつけて、それを追っていくと大きな犬がいました。
こんは「だいじょうぶ。僕がついてるからね」とあきを守ります。

大きな犬が、こんをくわえてどこかへ行ってしまいました。
あきは追いかけます。「こーーーーーん!」

犬に連れ去られたこんは、砂の中に埋められていました。
あきは、こんに「だいじょうぶ?」と聞きます。
こんは、小さな声で「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言います。

あきはこんをおんぶして、急いでおばあちゃんのお家に行きます。

♪おばあちゃんのお家に到着

おばあちゃんは、こんのあちこちを調べて治してくれました。
あとはぺちゃんこになったしっぽだけです。

「つぶれたしっぽには、お風呂が一番!」こんは、逃げ出します。
「いやだいやだ!お風呂なんか入ったことないもん!」
こんはあっさりと、おばあちゃんに捕まってしまいます。
あきと、こんと、おばあちゃんは、いっしょにお風呂に入りました。

「ああ、いいきもち」とあきは言います。

おばあちゃんが「こん、初めてのお風呂は、どんな気分?」
「砂の中より、ずーっといい」とこんは言いました。

お風呂から上がり、きれいにタオルで拭くと、
こんのしっぽは、もとどおり立派なきれいなしっぽになりました。

きれいになったこんといっしょに、あきはお家に帰りました。

こんとあきの絵本の対象年齢

読んであげるになら:4才から
自分で読むなら:小学低学年から 福音館書店より

こんとあきの絵本はマタニテイの時に本屋さんで見つけました。
可愛いこんとあきちゃん。優しい絵に惹かれてすぐ買いました。

娘が2才くらいから、「きつねのこんちゃんだよ…」って、
お話しをしながら、見せていました。
娘はニコニコしたり、じ~っとうつむいたりしていました。

こん、あき、おばあちゃんの表情と感情をかもし出す暖かな絵。
何となく物語をわかっていたのかなと思います。

「しっぽ、しっぽ」と指をさして心配そうだった娘に
「おばあちゃんが治してくれるからね」と言った記憶があります。

ストリーを完全理解できるようになったのは、4才になった頃でした。
主人公のあきちゃんと同じくらいの年齢です。

娘は絵本の中のこんとあきちゃんといっしょに冒険して、
さみしい、うれしい、勇気、がんばるなどの気持ちを経験できたと思います。

娘は小学生になると自分で読んでいました。
20才になった今もこんとあきの絵本を大切にしていますよ。
わたしもおばあちゃんになったら孫に読んであげたいです。

 

こんとあき 感想

心から出会えて良かったと思える素晴らしい絵本です。

ハラハラドキドキ。微笑ましい笑っちゃう。再びハラハラ。
ジーンと涙。でも、最後はハッピーエンドだから楽しく読み終えられます。

しっぽを電車のドアにはさまれても「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と
言い続けてあきに心配をかけまいとするこんに胸がキュンとします。

犬に砂に埋められて弱っていても小さな声で「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と
あきを安心させようと何度もつぶやくこんが愛しくなります。

弱ったこんをおぶっておばあちゃんの家までがんばって帰るあき。
「今度は自分がこんを守るんだ」あきの必死な姿にジーンと感動します。
あきが成長していく姿を見てうれしい気持ちになります。

あきを大事に守るこんこんを大切に思うあき
守りたいものがあると、人は強くなれると教えてくれます。
二人の寄り添う気持ちがとても健気で心に残ります。
読んだあとに、ほっこり暖かい優しい気持ちになれる絵本です。

 

こんとあき 裏話

絵本の中では描かれていませんが、こんは亡くなったおじいちゃんのコートをほどいて、おばあちゃんが作ってくれたきつねのぬいぐるみです。
作者の林明子さんが月刊MOE(2002年10月号)の中で語っています。

「遠くにいても見守っているよ」とおじいちゃんとおばあちゃんの
孫のあきへの深い愛情がこんに込められているように感じます。
こんの話す言葉は、おじいちゃんとおばあちゃんからのメッセージなのかも。

こんとあき モデル

こんとあきのおばあちゃんのモデルは、作者の林明子さんのおばあさん。おばあさんは鳥取に住んでいたそうです。
お裁縫が上手な方だったそうです。

こんとあきの舞台のモデルは鳥取。絵本に出てくる砂丘は鳥取砂丘

鳥取市立図書館の貸し出しカードの絵柄はこんとあきの絵です。

こんとあきの乗る汽車のモデルは?

絵本の中には書かれていませんが、砂丘に行く物語なので、
出版当時、大阪から鳥取まで走っていた特急「まつかぜ」・
現在の「スーパーはくと」だと思われます。

 

こんとあきは、前駐日米国大使のキャロライン・ケネディさんが、
お気にい入りの絵本として紹介しています。
ケネディさんがお母さんからプレゼントされたそうです。

ケネディさんが日本駐在中に、お子さんたちと念願の鳥取砂丘を
訪問をしたエピソードが話題になりました。

こんとあきの絵本は英語版をはじめ、多くの言語に翻訳出版されています。

こんとあき お弁当・駅弁

こんが買ってきた駅弁は「あげどん弁当

福音館書店から発行された「絵本のたしなみ」で、作者の林明子さんが紹介してます。

きつねの大好きな油あげがのったご飯と鳥取名物のとうふちくわ。
デザートはスウィートポテトプリン。

帰りの汽車で、またしっぽをはさまれるといけないから、買いに行かなくてもいいようにと
こんとあきが家に帰る前日に、おばあちゃんも「あげどん弁当」を作ってあげます。

こんとあきの「あげどん弁当」を作ってみました。
ほんわりと甘い優しい味のあげどんです。簡単ですよ。

あげどん弁当のレシピ・作り方の記事はこちら

 

こんとあき こんのぬいぐるみ・グッズ

♪こんのぬいぐるみの作り方

福音館書店のホームページの「こんを作ろう」に詳しく紹介されています。→福音館書店HP こんを作ろう

こんのぬいぐるみの材料・こんとお洋服の作り方が、
わかりやすくていねいに書かれています。

こんの型紙もダウンロードして印刷ができます。
印刷した型紙を2倍に拡大して使います。コンビニで出来ますよ。

♪こんのぬいぐるみがほしいけど手づくりは難しくて…
まるで絵本から飛び出してきたようなかわいいこんが絵本ナビで販売されています。

↓絵本ナビをチェックする


こんとあき 日本製ぬいぐるみ こんMは全長約45cm。絵本のこんに近いサイズです。
こんの細かな点まで忠実に表現されたぬいぐるみになっています。

こだわりがたくさん詰まっているため、一度に大量の生産ができないそうです。
入荷していたら、とてもラッキー。ほしい方は早めのゲットがおすすめです。

Mサイズより一回り小さな全長約33cmのこんとあき ぬいぐるみ こんSもあります。

在庫切れでも再入荷の可能性はあるので、こまめにチェックするといいですよ。
「こんがお家にやって来る」届くのがとっても楽しみになりますね。

♪こんとあき 林明子のグッズ

ガーゼハンカチ・ガーゼハンカチ&フレームセット・おなまえシール・
おつかいバッグ・巾着・絵本&グッズセットなども絵本ナビで販売されています。お子さん、お孫さんの保育園・幼稚園の入園グッズにもぴったりですよ。

 

こんとあき 作者の林明子

1945年東京生まれ。横浜国立大学教育学部美術科卒業。絵本作家として活躍中。
「きょうはなんのひ?」(福音館書店刊)で、第二回絵本にっぽん賞受賞。
「おふろだいすき」(福音館書店刊)で、サンケイ児童出版文化賞美術賞受賞。

林明子さんの絵本は、楽しい絵探しができるんですよ。
なんとキャラクターたちが友情出演(隠し絵)しているんです。

こんとあきの絵本の表紙
線路の向こう側のホームで、チャップリンが不思議の国のアリスに
あいさつしています。左を見るとなほちゃん(はじめてのキャンプ)
茶色のズボンのタンタン(タンタンの冒険旅行)が立っています。

絵本の9ページ・20ページ
こんとあきが乗った汽車の右側の座席に「さむがりやのサンタ」が
腕組みして座っています。

12ページで「あき」がのぞく窓の次の窓には「さむがりやのサンタ」
その次の窓にはマグレガーさん(ピーターラビットのおはなし)
その向かい側の席には帽子屋(不思議の国のアリス)が乗っています。

こんとあきは大人になっても読みたくなる絵本。
ず~っと大切にとっておきたい絵本です。

東京で一人暮らしの娘も悲しい時や疲れている時に読んで癒されているようです。
こんに元気をもらってがんばっています。

どんなときも「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とあきを励ますこん。
こんに見守られながら勇気と優しさをもち成長していくあき。

おばあちゃんにしっぽを治してもらいきれいになった元気なこん。
お風呂のシーンは笑えて安心できてとってもいい。
「よかったね~」って、ほっとしてほんわかするラストシーン。

思いやりの心がいっぱいつまった「こんとあき」の絵本は、
あなたとお子さんをしあわせに包んでくれるでしょう。

最期までお読みいただきありがとうございます(*^^*)